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タイムラインエディタのChataigneが便利

リアルタイムかつタイムラインベースな映像コンテンツやメカを使ったインスタレーションを作る時、演出の作り方どうしよ。。と悩んでいた時期がありました。VezerはWindowsで使えなかったりするし、TouchdesignerもAnimationCOMPがあるけど、正直使いにくい…

そんな中、TwitterでたまたまChataigneというソフトの存在を知りました。VRChat界隈ではわりとメジャーなのかしら?自分が存在を知る切っ掛けのアカウントも確かVRChat関連だった気がします。

まだ日本語情報が少なく、結局何ができそうか? ってところでなかなかとっつきにくい部分もありそうだなと思ったので、ここでは実例を交えつつどんなことができるソフトか紹介してみようと思います。※チュートリアルや具体的な操作方法の記事ではありません! あしからず。

事例1:映像に連動して装置を制御する

こちらのプロジェクトでは、映像・音響・照明とそれに連動して、水槽に波紋を発生させる装置の制御が要件としてあったので、タイムラインをChataigneで組んで再生する仕組みをとりました。

Chataigneでは、1つのプロジェクトファイル内で複数のシーケンスを作ることができます。また、シーケンス内の各トラックごとにOSCなど各種プロトコルの送信を設定できるので、このトラックはOSC、このトラックはDMXというように複数機器とのやりとりをシーケンス上で完結させることができます。

このプロジェクトでは、波紋装置に指示を送ってから実際に波紋が発生するまで数秒のラグがあり、消えるのもオフの信号からしばらく時間がかかるので、調整が難しくかなりタイミングのトライ&エラーを余儀なくされました。Chataigne無しで、例えばタイムコードを入力するような方式では大変だったろうなと思います。

ちなみに波紋は弱・中・強の3段階だったので、カラートラックを用意して色で指示するようにしたら見やすくで捗りました。

事例2:マルチトラック音声の再生

画像はAIイメージです。

とあるショールーム的な展示スペースの映像インスタレーションです。このプロジェクトでは、4つの映像、会場の照明、モーターの制御に合わせて14chのマルチトラックを再生するという要件がありました。

さすがに14chは…と思っていましたが、これが案外安定して動いてくれています。他にもDMXや、TCP通信方式のリモコン端末からの入力など細々した要素もChataigneで吸収できていて、最終的に映像のみTouchdesignerから送出する、という形になりました。

事例3:ミニロボットの動作制御と、コントロールパネルの制作

画像はAIイメージです。

社内向けR&Dで、卓上サイズの小さなロボットを作るというプロジェクトでした。
メカ部分の制御やLEDの点灯など込み入った部分をTouchdesignerで作り込み、Chataigneから動作をコントロールするという方式を取っています。

このプロジェクトではクライアントにロボットを動かしてもらったり、タイムラインを作ってもらう必要があったため、ChataigneのDashboardを使って簡単なUIも作りました。これはState MachineやParametersで作った要素を必要な分だけまとめておける機能で、Chataigneが起動しているPCに接続すればブラウザからもこのダッシュボードを操作ができるそうです。

タイムラインではモーターの角度を調整するベジェカーブ、LEDのモードなどを指示するトリガー、LEDの色を指示するカラートラックなどを用意してコントロールしました。

色々できすぎて、すごい

事例ベースで紹介してみましたが、書いてみた内容もChataigneができることのほんの一部だな… と書き終えてから感じました。自分がここに書ききれなかったことを列挙してみると

  • State Machineによる状態管理できるとか
  • 複数のシーケンスを1つの親シーケンスにまとめて、順番や並列に再生するとか
  • 複数のパラメータのプリセットを用意して、シームレスに変化させるとか
  • jsでスクリプトが書けるので、パラメータから独自のJSONフォーマット作って送信するとか

こういう痒いところに非常に手が届く…なのでみんな使ってみようぜ、あるいはタイムライン制御が必要そうなお仕事お待ちしております

oFでタイムラインエディタとか使ってたころが懐かしい…